エルメスと職人2

現在では高いデザイン力を誇るエスメスも、かつては他社のファッションブランドからは遅れた存在でした。特に、1837年に創業した馬具工房は、エルメス自身が馬具製造にこだわったため当時のルイ・ヴィトンのような歴史あるブランドに比べて遅れた存在でした。しかし3代目のエミール・モーリス・エルメルによってこのような事態は打開されます。馬具製造のノウハウを活かした最高級の素材と職人の技術をいかした高品質な製品。更に数少ない職人の誰にも真似出来ないような高い技能を活かした希少性を全面に押し出した、現在のエルメスに通ずるエルメス独自のスタイルと伝統を生成していったのです。

それでもなおエルメスの人気は現在ほどではありませんでした。そこで5代目のジャン・ルイ・デュマ・エルメスが更にエルメスを進化させました。これまでのエルメスが会得してきた品質や職人の技術といった製品のノウハウを維持しつつも当時からみた古臭い伝統を破壊していったのです。当時のエルメスが獲った戦略は新しい広告戦略、そしてエルメスをよく知らない人でも手に取りやすいような低価格帯の小物です。これが大成功し現在の極めて高いブランド力を築き上げました。